我が家のミニチュアダックス8歳のメス、この子は3歳になる前にうちに来ました。
それまではブリーダーのところで繁殖用として飼われていたそうです。いわゆるパピーミルの類のブリーダーさんで、当然しつけもされてなく、外の世界が何も分からない状態で私たちと暮らし始めました。来た当初からとてもおとなしく、いたずらもしないでのんびり過ごしていました。
唯一困ったことがトイレです。どうも排泄をしたくなるタイミングが分からない様子でした。今まで普通にしていても急に催し、その場でしてしまうということが繰り返されたのです。長い間、クレートのような狭い場所で暮らしていたので、排泄をコントロールすることもなかったのでしょう。ならば、こちらで管理するしかない、幸いウンチは外に出したらすぐするようになったので、オシッコのタイミングをつかめるように、日々観察しました。どうも、午前2回、夜に1回はしたくなるようなので、朝起きてすぐと、お昼前、夜寝る前に、強制的にトイレに連れていき、「トイレ、トイレ」の掛け声をかけ、オシッコをするまでトイレに入れておいたのです。
トイレの周りをサークルで囲み、するまで扉を閉めて待ちます。時間がかかりますが、排泄をするまで絶対に外には出しません。そうすると、トイレのサークルに入ると排泄をするクセがつきました。特にしたくなくても、トイレに連れていけば少量でもオシッコを出すようになったので、本人の意思は皆無ですが、私の管理下の元オシッコもトイレでできるようになりました。こんな日々が一年くらい続きました。しかし、自分からトイレに行くことはありません。保護犬だし、そんなに頭が切れるタイプでもないから、こんなものかなと思っていました。
が、ある日、それは起こったのです。私が家事をしている時、全くの偶然ですが、トイレに入って匂いを嗅いでいたのです。それを見つけた私は大げさに褒めまくりました。そしたら、何を思ったのかもう一度入ってくれたので、またまた「偉い、すごい」と褒めまくりました。その時、ワンコの顔にヒラメキが見えました。何かが結びついたのです。それからしばらく意味もなくトイレに入って褒められるのを待つようになりました。毎回これでもかというくらい褒めていたら、またまた偶然オシッコがしたくなったのです。見事にトイレでオシッコをすることができました。もちろん、最大級に褒めまくり、それ以降自分からトイレにいってオシッコもウンチもできるようになりました。我が家に来て2年過ぎた頃でした。
おとなしい性格のせいか、悪いこともしませんが、特別褒められることもあまりなく過ごしていたのが、自分のことを見ていてくれて褒めてくれたのが嬉しかったのだと思います。うちの子は物覚えも悪く賢いタイプでは全くありません。それでも、トイレを覚えることができました。実家に連れて行く時も、使用済みのトイレシートを持って行ってトイレを作ると、シートを認識できています。今トイレをしつけ中のワンちゃんたちも、時間はかかるかもしれませんが、きっとわかるようになります。こちらが根負けせず、ワンコに付き合ってあげてください。自分を見ていてくれる人のことをワンコはちゃんと理解しています。
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